音楽的な単語を一部解説します。
このマニュアルのメインテーマではないので、ほんとにおまけ程度ですが、
ぜひ活用していただければと思います。
また文章内にも書きましたが、音楽理論は調べてけば調べるほど、
「人によって書き方が違う」もんであり、僕の解説は、
初心者の分かりやすさを重視するために
極力小難しいことは放送コードに引っ掛けてわざと抜いたものであり、
「これがなんでここにはいってないの?なんでだかわかる?」みたいな、
僕が高2の時の物理を担当してた担任の教師みたいなツッコミはくれぐれも禁止です。
時々答えられないこともあります。(笑)
キーCにおけるダイアトニックコード(=音階和音)は
です。
(注意事項。
時々Em Em7はトニックであり、ドミナントでもあるとする書籍、記事もあるが、
一般書籍において、EmとEm7はトニックとして扱うとする書籍が大多数のため、
本マニュアルではEmとEm7はトニックとして扱わせていただく。
上に同じく、AmとAm7もサブドミナントとしても扱う書籍があるが、
こちらも少数派だったので、トニックとして扱わせていただく。
またBm(b5)とBm7(b5)においては各書とも、ドミナントとして扱うものが大多数だが、
実際、それらの書籍でも例として扱うことが少なく、
多くの大衆音楽の楽譜においても積極的に見られるとは言いがたいため、
一応括弧付けの形となった。
コードにおいての詳しい論述は
大衆音楽のために意図的に省略されたり、賛否両論されるなどの事象があるため、
(大衆音楽で複雑なコードの響きは敬遠される傾向があるのです。
逆にジャズなどはそういった気持ちのいい不協和音が好まれるため、
筆者の意図や配慮により、執筆した本の内容に差が生まれるのです。)
括弧付けの解説で締めくくらせてもらいます。)
そして、ダイアトニックコードの機能ごとの関係は、
です。
ちなみにC(T)とF(W)だけ、?M7でない理由は、
M7として加えられる音がルート(根音。1st。コードを並べる際の最初の音。)と
半音関係になるため、(CM7=「ドミソシ」で「ド」と「シ」が不協和。FM7=「ファラドミ」で「ファ」と「ミ」が不協和。)
不協和音が発生するため、(理論上では)使用には好ましくないからです。
また、トニックから矢印が出てきていませんが、
トニックは原則、サブドミナントにもドミナントにも行くことができます。
(ただし、トニックからドミナントは響きが急なため、頻繁に使用はされません。
ですので、進行の原則はT→SD→Dと押さえてください。
もちろん、T→T→SD→D等と重複してもかまいません。)
例えば、キーCにおける「C→C7→F→G7→C」という進行について考えて見ましょう。
最初のC7の構成音は「ドミソシ♭」で、「シ♭」がキーCからはずれた音ですね。
実はこののっけにでてくる「C7」が「F」に対する「セカンダリードミナント(2次的なドミナント)」なのです。
ドミナントのことをよく知るために今度は後ろから見ていきましょう。
一番後ろに「G7→C」という流れがありますね。
これがキーCでの一般的な「ドミナント終止(=ドミナントモーション)」です。
ドミナント終止(=ドミナントモーション)の条件は
です。
G7は「ソシレファ」で、ルートは「ソ(=G)」。
Cは「ドミソ」で、ルートは「ド(=C)」。
第一条件のトライトーンの発生ですが、G7内では「シ」と「ファ」がそうですね。
「シ」と「ファ」は6半音の差があり、鳴らしてみるとわかりますが、不協和音が発生します。
その「シ」を1半音上に。「ファ」を1半音下に動かすと、
「ド」と「ミ」になり、Cの「ドミソ」の構成音の中に入っています。
最後のルートの完全5度の関係ですが、
これは「ソ→ド」なので、完全5度(=7半音)下降してますね。
よって、「G7→C」はドミナントモーションとして、不協和音から、安定した響きにつながり、
強烈な解決感が生まれるので、曲のエンディングなどに使われる傾向があります。
では改めて、「C7→F」を見てみましょう。
この「C7」がセカンダリードミナントと呼ばれる理由は、
この「C7」は「F」の2次的な(=セカンダリー。2nd。)ドミナントなのです。
C7は「ドミソシ♭」で、ルートは「ド(=C)」。Fは「ファラド」で、ルートは「ファ(=F)」。
ルートの関係を見てみるとわかりますが、「ド→ファ」は完全5度(=7半音)下降しています。
さらにC7内で「ミ」と「シ♭」のトライトーン(=6半音)が発生しており、
「シ♭」を1半音下の「ラ」に。「ミ」を半音移動し「ファ」にします。
そうすると、F=「ファラド」の構成音が入ってるわけです。
つまり、このC7は構成音の一つの「シ♭」が
C Major Scale(C Ionian Scale)の音程外の音であるが、(C Major=ドレミファソラシ)
Fに対してのドミナント終止(=ドミナントモーション)は働くことから、
C7をFに対する「セカンダリードミナント(2次的なドミナント)」と呼ぶことになりました。
例えば「D7→G7→C」について考えてみます。
さて、D7はなんでしょうか?
ここでセカンダリードミナントの定義を思い出してみましょう。
D7=「レファ♯ラド」を踏まえて話していきます。
トライトーンはファ♯とドで6半音関係で発生しています。
発生したトライトーン、両方とも1半音下げて、
ファとシに移行させて、G7=「ソシレファ」の中にいれます。
ルートはレからソですから、強進行ですね。(完全4度上昇か、完全5度下降)
すべての条件を満たしたので、D7はセカンダリードミナントとして、
機能し、G7に解決します。
おや、またG7でドミナントですよ。
「G7→C」はおなじみドミナントモーションとして解決しますね。
このようにセカンダリードミナントが続く構成から、
D7はドッペルドミナントと呼ばれます。
ちなみに英語ではダブルドミナントと呼ばれます。
こっちのほうが感覚的にはわかりやすいかもしれませんね。
2連続のドミナントで、ダブルですから。